けん引免許を取りに行った話 本編 その3 鬼門のバック・方向転換

前回までは、前に向かって走るなかで車両特性やら右左折やらを書いてきました。まあ、前に進む分には、「内輪差が曲がるごとに大きくなる≒曲がりやすい」ということで、トラックを運転したことがある人であればそんなに難しくはないと思います。

しかし、バックとなると話は違う!

けん引免許の紹介するどのサイトでも、方向転換、特にバックについては尋常じゃないほど難しいと書いてありますが、その説明です。

なぜそんなに難しいのでしょうか?

けん引免許を取りに行った話 本編 その2でも書きましたが、基本的にトレーラーの特性として、「ヘッドの後輪がトレーラー(引っ張られる車両)のハンドルになる」ということがあります。

つまり、ヘッド全体(車体)の向きでトレーラーの操舵をすることになります。

これがとても厄介で、大きく2つの特性が関与しています。

  1. 曲がり始めのきっかけを作る時には逆にハンドルを切らなければならない。
  2. 曲がり始めたらハンドルを真っすぐにしてもトレーラーが折れ曲がっていく。

切れないリアタイヤを操作することはできません。普通車をバックすることを考えると、前を大きく振っていけばいいのですが・・・それがそのままトレーラーの操舵輪になりますので、難しいです。

左に車庫入れするためには、操舵輪が左へ向かなければなりません。しかし、先にも書いたように、トレーラーの操舵輪はヘッドの後輪です。

つまり、車体が左を向くことで操舵輪が左に向くことになります。普通の車で、車体を右に向けるためには左にハンドルを切ることになります。

そういった理由から1の様に、「曲がり始めのきっかけを作る時に逆にハンドルを切る」のです。

左に行くのに右に切る!?  その時点でもう、既に頭はパニックです。

加えて、試験車両は中型トラックなので、至極当然なのですが、ハンドルを切っても車体の向きがすぐに変わるわけではないので、そのラグをどうするか? ということを考えながらする必要があります。

このラグというのがとても厄介で次のようなことを引き起こします

  • 自分がこう曲がってほしい!という理想的な角度になるまでに時間がかかり、早く曲げようとハンドルを切りすぎてしまう。
  • 「よし!この角度!」となって止めたいのにハンドルを戻しても、車体が曲がっているため止まらず、余計に曲がっていってしまう!
  • 車体の曲がりを止める、戻すために逆にハンドルを切りすぎてしまう。
  • ヘッドを動かすために、前後に動かなければならないが、開いたり、閉じたり、動かなかったりと思った動きをしてくれない。
  • 修正したいのにヘッドが脱輪しそうになったり、ポールに接触しそうになるため、行き詰まる。

コウタはそれを試験で3回経験しました・・・

何度も言いますが、「ヘッドの後輪がトレーラー(引っ張られる車両)のハンドルになる」ので、ヘッドの車体をどちらかにすぐ向けられるような位置を探るのが大切です。

言葉で表現するのは難しいのですが、折れ曲がっていく際に、ここから切ると曲がる、ここから戻すと開くという中立の位置があります。それが、その位置になります。

それを探るためには、少しずつハンドルを切ることが大切です。

ヘッドと車体のなす角は140度。つまり直進から40度曲がった位置をキープするのが鉄則だそうです。

実際に試験をした経験からすると、これ以上曲がると入りやすくなりますが、戻せなくなります。

方向転換の課題内容を確認しましょう。

バックで方向転換スペースに入り、車体(トレーラーとヘッド)をまっすぐにして、バックで入ってきた方向と逆に出ます。

この際、車体(トレーラーとヘッド)がまっすぐであれば、コースに対して曲がっていても問題はありません。

ですが、できれば「コースに対してまっすぐ入れる」、または「コースに対して出る方向に余裕がある位置である」ということが理想です。

出る方向に近いと、位置によってはかなりきつい状況になります。

何はともあれ、スペース(幅5m、奥行き8m)に入れた際にはとにかく車体まっすぐにする必要があります。

ところがスペースに入れるために曲げようと意識しすぎると、伸ばすスペースが足りないのです。

これが、「ヘッドと車体のなす角は140度。つまり直進から40度曲がった位置をキープする」のが鉄則だという所以だそうです。

では、いよいよ具体的な手順を、きっと皆さん苦手な左の車庫入れで説明します。※個人的に意識した手順です。

  1. 左に1m程度のスペースを空けて、入口から2~3m程度のやや遠めに停車。
  2. 車体(ヘッド)を左に向けたいので、ハンドルを右に少しずつきる。(切ったり戻したりして、中立の位置を追い続ける。)
  3. 鬼の半クラで徐行しながらバックすると、およそ半回転~1回転しないうちに車体のなす角度が140度(直線から40度曲がる)に近い形になる。
  4. 角度が決まりそうになったら、ハンドルをゆっくりと左に切って、角度をキープしながら下がる。
  5. 今度はトレーラーの半分くらい入る所で折れを戻しにかかる。
  6. ハンドルの角度を微調整しながらまっすぐ入れる。

もし、折れ曲がりすぎたら?

諦めて、切り返すのですが、ただ前に出すだけではなく、ハンドルを切りなおしてヘッドとトレーラーが真っすぐになるように前へ出ましょう。 (たいていの場合、逆にハンドルを切りながら前に出るとまっすぐになります。)

そうすれば、そのままバックすれば完了です。しかも、切り返しの初回は減点無し!

※方向転換コースから出るように指示されますので、鬼の半クラでゆっくり動き、ハンドルを回しながらギリギリまで出て修正しましょう。

このテクニックを使えば、万が一(たいていの場合失敗するのですが・・・)失敗しても大丈夫です。

くれぐれも脱輪(ラインを踏むこと)やポールへの接触がないように。

ポイントはとにかく、曲がらないからといって焦ってハンドルをグルグル回さないことと、車を早くバックさせないことです。

車体が回るのを待っていれば確実に動いてきます。早くバックするとハンドル操作も相対的に早くしなければならないので、ハンドル操作とトレーラーの挙動が一致しないので、見失ってしまいます。

とにかくゆっくり少しずつ動き始めることが大切です。

けん引のバックが一般に向かない理由は、

ひたすら難しいから。

切り始めはゆっくり、奥に行くほど速くというのはもしかすると、運転のセオリーなのでは?

結果、動くスピードを遅くして、ハンドル捌きが間に合うか、先行できるようにするのが運転技術といえるのでしょう。

ハイスピードドライビングでのテクニックもそういわれていますが、走るスピードが速いので、結果的に動作が早くなるのか・・・

こればっかりはイメージトレーニングしかない・・・

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