柴咲コウタ式ヒルクライム法

暑い! ちょっと暑すぎはしませんか?

ご飯も食べる気にならないくらい消耗していますが・・・

皆さん、お元気ですか? 柴咲コウタです。

 

トレーニングしてますか?

やる気が出ないそんな時は、避暑のために山へ逃げ込むのがいいですよ笑

 

コウタもわざわざ自転車で山を登るなんてどうかしてるぜ!なんて思っていました。

今も別に、特に登りたいとは思っていないのですが、いつも平地でトレーニングに飽きてきたし、少しきつい斜度を超えられれば、コースに幅が出ると考えて、体もまあできているだろうという前提でヒルクライムに行ってきました。

そこでいろいろ効果?を感じたので備忘録として。
ヒルクライムが愛されるには理由があります。

  1. きつい
  2. むずい
  3. 終わりがある

坂なので当然きついです。そしてペダリングやセッティングも変わりますし、同じ坂でもラインの取り方で斜度が微妙に変わります。

平坦では距離を自力で戻ってこないといけませんが、坂は基本的に片道行けばあとは漕がずに戻ってこれ、登り切ればそれ以上道はないので、終わりが必ずあります。

その苦しみと達成感や安堵感がアドレナリンとかセロトニンとかをドバーッと出てくることで、マニアや玄人志向となるのです。

なので、自転車を始めた頃に身近にいる「センパイ」と呼ばれる方(カタカナで書く場合、大抵そんな偉いと思っていない)が、峠へ連れて行き、数コーナーで視界から消えることで自分の実力?威厳?を示されて、苦しみが達成感を上回り、山なんか二度と行くか!と辟易するのも影響して、マニアや玄人志向が強いと感じてしまいます(経験談)。

 

そういうのは抜きにして、ヒルクライムが良いことを挙げると、

  1. 負荷が掛かるので体力トレーニングがしやすい
  2. 速度が低いので比較的安全
  3. ペダリング技術が理解しやすい

ということが考えられます。

 

1:負荷が掛かるので体力トレーニングがしやすい

これについては、坂なので容易に想像できると思います。

比較的大出力である程度の時間で上ることにより、筋持久と心肺機能に高負荷が掛かります。そういう意味では、筋トレと持久的トレーニングが同時にできる効率の良いトレーニングといえます。

しかし、ややもすると、簡単にオールアウトやハンガーノックになる為、オーバーワークや、逆にこなせずアンダーワークになる可能性もはらんでいます。

FTPや最大心拍に対するパーセンテージを見ながら行きましょう。

 

2:速度が低いので比較的安全

ロードバイクは平地だと30kphを簡単に超えます。その割に、コーナリング性能とブレーキ性能はあまりよろしくなく、街中を走るとなると、不確定要素が大きく速度と共にリスクが高まります。

上りは普通、速度が落ちるので、平地より速いことはまずありません。速度が低いだけでも、安全と言えましょう。

また、峠や山道は基本的に交通量が少ないことが多いので、車との事故率も下がります。

とはいえ、ブラインドコーナーがあったりすると、山道で人が居ない前提で走っている車が飛ばして来たり、インカットして来たりするので、それはそれでリスクとして存在します。

あとは、交通量や人気のない峠ということを考えると、草が伸びていたり、「ムシキング」や「けものフレンズ」が出て来たり、メカトラブルや事故の際に助けが来る可能性が低い等のリスクも頭に入れておかなければなりません。

下りは特に気を付けて。

 

3:ペダリング技術が理解しやすい

坂では鉛直方向、水平方向と路面に差が生じます。その為車体は角度が変わるのですが、クランクは円なので車体の角度が変わっても、鉛直方向と水平で見れば一緒です。

また、常に負荷が掛かているので、上下死点をスムーズにクリアしないと、ひたすらきついです。

トルクが掛けられる位相を超えたらすぐ逆側へ荷重するイメージがつかめると、バックを踏まないペダリングとして技術が向上するので、理解が進みます。

 

以上のメリットを感じながら、どの様にトレーニングに用いるか?

コウタは次の3つに気を付けてトレーニングに用いました。

  1. ケイデンスは低くする
  2. 速度は二の次
  3. 姿勢に気を付ける

 

それぞれを説明すると、

 

1:ケイデンスは低くする

これは、自分の筋タイプも影響しているのですが、軽いギアでケイデンスを上げると、リズム的に休む暇がなく、脚を動かすエネルギーの割に進む力に変換されず、呼吸が先に参ってしまうため、回転は上げないようにします。

必然的にトルクが要求されますが、立ち漕ぎすれば、クランクに体重分は必ずトルクが掛かるので、無理して踏むという感じにはなりません。

ケイデンスは30~40rpmですが、アウターローで15%くらいは登れます。

リズム的にも、1秒1漕ぎ程度になるので取りやすいです。

リズムが取りやすいと、技術も理解しやすくなります。

常にトルクを掛ける感じで上らなければいけないので、バックを踏まないペダリングが実現しやすくなります。

ギアが重けりゃいいとか、ケイデンスは低ければいいのではなく、リズムが取りやすい、漕ぎやすいギアを選んで、仮にそれが重くてケイデンスが低くてもいいよという意味です。勿論、軽くて高回転でも。

 

2:速度は二の次

人と行くと、競争になってしまい、そっちが優先されてしまいがちですが、競争に勝つためには、人より強い体力と高度な技術と高度な戦術があればいいのです。

無い人は、まず、登坂できないと勝負の土俵にすら立てません。

確実に登る、完走するということを念頭に置くと、時間はいくらかかってもいいと思います。(ひとりで走るのが望ましい。チームで山へ行った場合も、時間差で個人スタートするといいと思います。)

ケイデンスを下げると、当然速度は落ちます。しかし、漕ぎ続けられるギアであれば坂はいつかは終わりが来るので、速度は低くとも確実に登れる速度である必要があります。

コウタは大体、8~12kphで近所の山(平均勾配5%前後)を30~40rpmで53-23Tで上りました。

 

 

3:姿勢に気を付ける

昨今発売されている書籍で基本的なフォームが解説されているので、説明はそちらに任せるとして、コウタ式ヒルクライムの姿勢について説明しましょう。

コウタ式ヒルクライムの基本姿勢は、ウエイトトレーニングのデッドリフトと同じです。

※スタンダードのデッドリフトです。ワイドスタンスのいわゆるスモウデッドリフトではありません。もっと言えばルーマニアンデッドリフトに近い。

登坂中につらくなってくるとどうしても下を向いてしまいます。しかし、そうすると前かがみになりやすく、腹筋が使える気がするし、腕回りが緊張しやすくなることで引き付けられて漕げる感がある割に、実際には背筋や股関節の筋が緩んでしまい、おまけに膝関節の伸展がメインとなってしまい、結果として腕と足は使えている気がするが、つらいだけで進まないという現象が起きます。

また、前かがみになって、ハンドルにしがみつくようになると、お尻が後ろに残りがちです。上死点付近が超えやすく、踏みやすくなりますが、それよりも上記の弊害で、主駆動局面で ”全身の” 効率が落ちます。

※ペダリング効率は上がるかもしれません。

 

坂が急になればなるほど、ハンドルと腿が近くなり、デッドリフトのセカンドプルの要領で、股関節主動で漕ぐ感じが強くなります。

膝関節、足関節は固定したままで、股関節の伸展と体重でペダルが下がっていく感じがします。

 

デッドリフトと同じなので、この時に気を付けなければならないのは、胸椎の伸展と肩甲骨の内転(引き寄せ)、顔は前、腕は曲げない事です。(わからない人は検索!)

 

そして、ペダリングのイメージは、「2時あたりが上死点」となります。

それに伴って、「8時あたりが下死点となります。

 

どういうことかというと、水平面に対して車体自体が前上がりになるので、元々の12時の位置が11時に(実際には斜度30度にならないとそうはならないがここではイメージ)、1時が12時に基準が進角するということです。

しかし、登坂時の重心位置などを考慮すると、自転車の重心は相対的に車体広報移る為、背中を曲げて鉛直基準の上死点を超えようとする漕ぎ方(前かがみ)で走ると、車体にウイリーするモーメントが発生しやすくなります。

実際には相当後ろに重心を置き、タイヤの蹴りだしがないとウイリーなんかしませんが、重心の関係で漕ぎの力が少なからずそれに変換されます。

 

それを解消するためにはどうしたらいいのか?

 

実に簡単。

「体を前へ持って行ってしまえばよい。」

 

えー?それじゃ上死点が越えられないー! という声が聞こえてきますが、だから、言ったでしょ!

「2時あたりが上死点、8時あたりが下死点」だって!

 

鉛直を基準にすれば、上死点・下死点が12時・6時になりますがそれより先で上死点と下死点を作る様に漕ぎます。

それだと1時・7時。

 

ホイールベースを軸にすれば、鉛直の位置が1時なので、上死点・下死点が2時・8時になるように。

 

ごちゃごちゃしてきたから図で示すと・・・

こんな感じ。

 

 

坂で体を起こしたとか、立ち上がった時は、鉛直方向にまっすぐなだけです。

より体を前にとなると、「より前傾になる」ということですね。

つまり、平地では前乗りの突っ込んだ姿勢になるということです。

 

これで漕ぐと、一番駆動が強いところが体重+αで賄えます。

鉛直方向の下死点もドライブしながら超えられるので、逆脚に荷重をするだけで下死点で荷重が抜け、すんなり乗れます。

イメージは、上り坂を雑巾がけするみたいな笑

 

実際の峠で上る勾配角度は、行っても15%でしょうが、その角度は、約8.5度!

大して遅角はされないのですが、脚の引き上げなどの関係から、イメージで2時から8時が掛かる様にすれば大体、いい感じになると思います。

そのイメージで5%平均勾配登坂時のペダリングモニターは・・・

いい感じですね!

 

より前のめりのデッドリフト(しかも片足ずつなのでルーマニアンデッドリフト)で登っていく形です。

ただし、姿勢をちゃんと作っても、大腰筋とハム、殿筋群の稼働がすごいので、メチャクチャ腰が痛くなります。

 

 

 

ヒルクライムが一般に向かない理由は

「特殊技術だから」

 

自転車を漕ぐという技術には変わらないので、核となる要素は平地と一緒ですが、やはり登坂技術は独特な技術を要します。

しかし、ちょっとの発想の転換で、面白い技術練習にもなります。

登坂できるだけで、トレーニングの幅が増えると考えていいでしょう。

しかし、一方で、登坂が速いから平地が速くなるとは限りません。あるいはその逆も。

やはり、登坂の特殊性が強いため、転用するには平地は平地の練習を、登坂は登坂の練習を、として使い分けて、あるいはそれぞれのトレーニング効果をミックスするトレーニングが必要になると思います。

 

登坂技術があるということは、下りの技術があるということです。

※登坂の対義語はみつからなかった!! (降板は野球か‥)

上りで疲れて、下りで事故るなんて話はよくありますが、疲労と特殊技術性のせいかもしれません。(たぶん、飛ばしすぎなだけ。)

 

ある程度の坂が登れればサイクリングコースに自由度が出ます。

また、ほぼ平らなコースでのわずかな傾斜でも登坂技術の意識があれば、ロスが少なく漕げるかもしれません。

この時期、高地は涼しいとおもいますよ!?

 

坂バカなる言葉も認知度が挙がって来たので、あなたも坂バカになろう!

(コウタはご遠慮させていただきます)

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