人間、臨死体験や限界を突破してしまうと、案外開き直れるもので、木更津トライアスロンで過酷さを体験したことは、一種の臨死体験とも言えるかもしれない。
日常生活から考えて、OBLA強度という案外高負荷で3時間超の高仕事量をこなしたり、低血糖や脚が釣った状態でも運動を続けたり、海で休まないでそれなりの距離を泳ぐといったりすることは、どう考えても体にとって緊急事態と同義でしょう。
何が言いたいかというと、
「仕事やってらんねーwwwww」 ということwww
次の目標やトレーニングについて考えていた時に、あるサイトの言葉に妙に納得してしまったのでみんなに伝えたい。
それは
「デスクワークで一日中座っていて、肉体的にオーバートレーニングになるわけがない。」
どう?言われてみればそうじゃない?
でも、デスクワーカーの自分が家に帰るとこんなにも疲れているのは何故か?
精神的な問題なのですね。。。
前回も書きましたが、人間のメンタルなんて、行けると思えば行けるのです。
この肉体と精神の疲労(感)のギャップがある一定以上に広がると、お互い足を引っ張り合うことになるのです。(俗にいう心身相関)
先日、ヤル気がしない―と思いながらもウエイトに行ったら、思った以上に挙上できてやっぱりメンタリティーの問題か・・・となったわけです。
さて、今日のタイトルの持久系アスリートのウエイトトレーニングということですが、是非とも柔軟性のある考え方で読んでいただければと思います。
一般的に、長距離系アスリートにはウエイトトレーニングは要らないと言われています。
その理由として、
・重くなる
・パワーがそんなにいらない
というものが挙げられます。
第一に、重くなるということは、長距離系の皆さん大好きVO2MAXの低下につながります。また、物理的な移動コスト(身体を移動させるのに必要なエネルギー)が更に要求されます。なので重くなることを嫌がる人が多いのです。
第二に、パワーがそんなにいらないというのは、持久系の運動では運動時間が極端に長いため、全力を出すシーンが無く、ウエイトトレーニングの様な重いものを全力で数回しか上げないようなシーンは適当ではない。ましてや、エネルギー供給経路も違うため全く意味がない。というのが言い分です。
ふたつとも、最もな言い分ですし、実際そうだと思います。
では、これらの事にケチを付けていこうと思いますwww
ウエイトトレーニングによって肥大するのは主に速筋です。
選択的に(淘汰されて)長距離や持久系を専門種目としている選手は、基本的に遅筋の人です(決してチキンとは言っていない。)。
故に、ウエイトトレーニングをしても、肥大する速筋自体が組成割合的に少ないので、ゴリゴリになるわけがありません。
稀になる人がいますが、陸上で言えば、1500m~1万mのスピードランナーの人でマラソンのプロから比べて速筋の組成割合が多い人なのだと思います。
逆に、遅筋繊維の塊で長距離を走るために生まれたような人は、数少ない速筋をいかに鍛えるか?がスピードを向上するカギとなります。
同時に、割合の多い遅筋でいかに出力を高めるか?もスピードと持久を高めるカギとなります。
登りや駆け引きでペースアップした際に、乳酸が出て筋内環境が酸性に傾いたときに動けるか?という筋緩衝能力を高めるには、その状態で筋収縮をする必要があります。
もちろん、走ってもそれはできるのですが、やはり出力デバイスがデカい状態でできた方が良いと思います。
この出力デバイスをデカくするためにやるようなもんです。
それによって仮に少し体重が重くなって、スピードが落ちたというのなら、体重の増加分だけパワーが上がっていないということです。
このパワーの解釈が面倒で、「力×速度」で表されます。同じ速度であれば力が大きい方がパワーがあることになります。
しかし、一般的に重くなると、速度というより加速度(単位時間あたりの速度変化)が落ちます。
力は出るけどスピードが短い時間で出なくなった。これが正しい解釈です。
何故でないのか? 力を出しながら高いスピードを出すトレーニングをしてないから。
プライオメトリックトレーニングや1RMの30%の重量を最大速度で挙上するトレーニングなんかが、それにあたります。
実際の運動での動きでは、
ランの場合は、下り坂を全力ダッシュ
バイクの場合も下り坂で重いギアで全力もがき、またはバイクペーサーの後ろでもがく
スイムの場合は、流れに沿って全力で下る
といった、とにかく高い速度で最大の力を掛けてやることです。
速度を出すために、アシストを入れて、限界以上の速度でやるので、アシステッドトレーニングともいわれます。
これは、よーいドンのゼロ発進とは全くスピードが違います。
しかし、結局、そのトレーニングを始める前提として、スピードに対応するだけの高出力が出せないとスピードすら出せない状況となります。
また、アシストが無い場合でも同じ速度を出せるようにならなければ、実際のレースでは使えません。
力と速度が両方一回り大きくなった時に、スピードとスタミナが一回り大きくなるのです。
つまり、仕事率(単位時間にできる仕事の量)を向上させるというのが大切になります。
長距離だろうが、短距離だろうが、中距離だろうが、決められた距離をできるだけ短い時間で仕事(走る・泳ぐ)を終わらせられるのが好記録の秘訣です。
仕事率が上がれば、速く走れます。
スピードとスタミナが頭打ちな人は、ウエイト→スピードトレーニングを合わせてやると、長距離でも有効ですよというお話でした。
ウエイトトレーニングが一般と長距離系には向かない理由は、
「ウエイトトレーニングでパフォーマンス改善するには準備の準備の準備が必要である」から
ウエイトトレーニングに似てるウエイトリフティングでも、挙上するためには力と同じくらい技術が必要で、それを下支えする相当の柔軟性が必要です。
柔軟性と技術、まずこれが必要になります。そして、継続的なトレーニングでパフォーマンス改善ができるだけの力が付いて、そこからスピードトレーニングをして、漸く実際の運動パフォーマンスが改善されるという地味に長い過程です。
やればイロイロメリットがあるんだけどね
(例えばモテるとか。)