トライアスロンをやっている人には大きく2種類の人間がいる。
ひとつは、陸生生物として生まれてきた人間。
もうひとつは、水生生物として生まれてきた人間。
そう。トライアスリートと名乗る人間の究極の目標は、
「両生類になることである!!」(違
私、柴咲コウタは、陸上競技というその名の通り陸上で行われる競技で飯を食おうと思ったぐらい、陸生生物として生まれ、陸を駆け抜け生きてきた人間である。
そんな陸生生物も、トライアスロンをやるのに困るのはスイムがあることだ。
しかも、よりによって「一番最初に」、だ。
基本的な体力や精神力とそれなりの知識を持ち合わせていたので、どのように泳ぐかはわかっているし、そうしていたつもりだった。
初レースはオープンウォーターの洗礼を受け、前日に降った雨が川の水を濁らせ視界ゼロ。
そんな中で速い人と集団で押し合いへし合いに巻き込まれ、オーバーペースになってしまい、ああ、こうして人は溺れ死ぬのかと理解したのでした。
それから、スイムを少し勉強しなおした。
具体的には本を読み漁った。
だが、どの本も書いてある要点は同じである。
コウタはこう見えても研究者とアスリートの端くれである。
(どう見えてるかはわからないが、決して切れ端ではない。)
知識と実践を結びつけるために、トライ&エラーを繰り返した。
それでもなかなか泳速度が向上しない。
コウタよりもはるかに筋肉がない華奢な中学生でも、
筋肉よりも脂肪の多いようなアシカやアザラシみたいな体型のメタボなオッサンですら
水生生物は体型に限らず速いのだ。しかも、コウタの2倍速。(単にコウタが遅いだけかもしれない。)
不審者として通報されるギリギリのラインで、スクールで泳いでる速いJC・JKやビキニパンツの速いオッサンをプールに潜って観察た結果、遂に彼・彼女がなぜ速いのかがわかった。
彼らが速い理由、それは、 “スイムのストローク” の続きを読む