皆様いかがお過ごしでしょうか?
GWも終わり、全国的に麻疹と5月病が流行っているようですね?
暑かったり、寒かったり、暑かったりと、気象の波状攻撃が、アウトドアスポーツにはきついですね。
さて、最近になって体が変わってきたせいか、またポジションが変わりました。
前回は(ポジション変更 サドル編を参照)
BB-サドル=720mm
BB-ハンドル=765mm
ハンドル-サドル先端(直線距離)=535mm
サドル-ハンドル落差=95mm
ハンドル-サドル先端(水平距離計算)=526.5mm
というところで、落ち着いたかに思いましたが、GW中のトレーニングで、上半身と脚の窮屈さがちょっとあったので、結局、
「サドルを5mmアップ、サドルを2.5mm後方へ」
というセッティングになりました。
BB-サドル=725mm (+5mm)
BB-ハンドル=765mm (変更なし)
ハンドル-サドル先端(直線距離)=550mm
サドル-ハンドル落差=100mm
ハンドル-サドル先端(水平距離計算)=540.8mm
下ハンを持った時の前傾や、トライアスロン用のDHバーを持った時のエアロポジションで深く倒せる上に、腕が膝にあたらず、ハムもお尻も使え、なかなか調子が良いみたいです。
また、Wattbikeによる無気的インターバルも始めました。
エネルギー系はATP-CP系をメインに、高速の動作で神経系と筋に負荷を掛けようと、10秒全力を3分レストで。
想像していたよりもきつくて、ちょっとプロトコルを変えなきゃいけないかな・・・
で、そのインターバルの最中に、今日のタイトルの「クランク長」ついて考えました。
踏むのか?回すのか?問題はずっと議論されていますが、結果、踏めて回せる、回して踏むというのは、単に若干のアプローチの違いであって、最大出力の向上という点においては、大トルク・高ケイデンスが必要となります。
では、どちらのアプローチがいいのか? というのは局面によります。
- 加速局面では、踏んでいって、結果的にケイデンスが上がって回るというアプローチが色濃くなります。
- 一定速度での巡行では、回すアプローチが色濃くなります。
その理由としては、加速度は(質量が同じなら)力に依存するからです。
ペダリングのパワーをタイヤを介して、地面に伝えるのですが、その際に、タイヤが実際に蹴る力は、トルクになります。
これが大きいと加速が良くなります。ギアを軽くするとリアホイールにトルクを掛けやすくなるので加速が良くなります。逆を言えば、リアホイールにトルクを掛けられなければ加速ができないということになります。
速度が高くなるにつれて、ホイールの円周速度も上がります。この円周速度を超えて力をホイールに掛けられなければ、加速はできません。
なので、重いギアへチェンジをするのですが、同じパワーなら相対的にトルクは下がります。(パワー=力×速度)
なので、絶対的なパワーが無いと速度が高くならないのです。
トルクがあまりいらない一定速度での巡行であれば、無駄踏みでの疲労を抑えるために回すアプローチが色濃くなるのです。
このトルクを掛けるペダリングをするときに、落とし穴があることに気が付きました。
踏む時には問題なくトルクが掛かります。一方で、効率の良いペダルのためには引き上げる時にも正のトルクを掛けられないとなりません。は負のトルクが掛からないようにする必要があります。ゼロ発進等は正のトルクが掛けられればそれはそれで理想です。
基準を仮に170mmとして、長さを変えたモノをイメージしてみましょう。
クランク長が長く(175mmくらいをイメージしてみましょう)なると、同じ角速度(ケイデンス)、同じパワー、同じトルクを発生させようとすれば、円周速度は上がる一方で、要求されるペダル荷重は小さくなります。
しかし、円周速度の向上で脚が追い付かなくなり、結果的にバックを踏むことになります。
一方で、クランク長が短くなる(165mmくらいをイメージしてみましょう)と、基準に対して、同じケイデンスで同じパワー、同じトルクを発生させようとすれば、要求されるペダル荷重は大きくなります。
しかし、円周速度が低下するので、脚の引き上げ速度に対して、余裕が生まれ、引き上げでもトルクが掛けられる感じや、頑張らなくても脚が追い付き引きあがる感じ、あるいは踏込みでの踏み応えから、ペダリングが楽になる「気がする」ことが考えられます。
実際に、バックを踏まなかったり、引き上げでトルクが掛けられることで効率が上がることも考えられるので、結果的にはプラスになる可能性が高いと思います。
しかし、より速い巡航速度や最高速を求めて、重いギアを選択することになった場合、クランクを短くすると要求されるペダル荷重が増えるので、より筋力が求められます。
一方、長くすると、要求されるペダル荷重はそれ相応に程々増えますが、円周速度が高いのでどちらかといえば速く回す感覚の方が強くなるかもしれませんが、半径と円周距離が大きくなるので、そちらの方が感じやすいかもしれません。
同じあるいは、より大きいペダル荷重が掛けられるのであれば、できるだけ長いクランクを使えば、軸トルクは簡単に上がります。
円周速度が高くなる事象については、ケイデンス(角速度)を下げて、その分ギア比を上げ(重く)すれば対応できます。
でも、結局、自転車の走行速度を上げるにはパワーが要るので、速くなるには体力(筋力、持久力)が必要になります。
クランク長で悩んでいる人や、クランク長を変えましたの記事を見ていると、膝や腰の痛みが、クランク長を考えるきっかけになっているようです。
その場合、短くする方が、ペダリングに要求されるROMが小さくなり、回すペダリングをするシーンが多いと改善することが多いと思います。
でも、要求されるトルクは増えるので、例えば加速局面が多くなったり、登坂など踏むシーンが多い時は、使う筋力が増え、それによって壊す可能性は確実に残っています。
(あるいはパワーが出ずに、置いて行かれる。)
長くすると、ケイデンスとペダル荷重が下げられますが、ROMの大きさで壊す可能性が高まります。
ではなぜケガをするのか?その根本を考えてみると、
基本的に、重いギアでゼロ発進の最初の数ペダル以外は、ほとんど体重以上の荷重が掛かることはないと言われています。
なので、過荷重で外傷的なケガ等は「ほとんどない」ということです。
それで膝や腰が痛くなる、壊してしまうというのは、恐らく、ケア不足によるオーバーユースや、筋力不足で関節構造上弱い方向に応力が掛かった過負荷である可能性が高いということです。
自転車に乗れば乗るほど、自分の脚が物理的に弱くなるという逆説的な現象が起きます。
ケアをちゃんとして、自転車に乗らないトレーニングでも脚を鍛えて、自転車に乗って鍛えて・・・を繰り返して、ようやく貧脚が改善すると思います。
機材スポーツが一般に向かない理由は
「いい道具はやっぱりいいから。」
いい道具は憧れますし、実際に使用感も実感できるほどいい場合が多いです(勿論、プラシーボ効果も含め)。
しかし、パフォーマンス発揮のためには、その道具使いきれるか?というところが一番大きいです。
道具は替えが利きますし、(お金以外は)準備がイージーな場合が多いのですが、体がそれに合う頃には元の弱点が露呈してくるか、新たな弱点が露呈してきます。
結果、道具を変えても、「体が変わらない」あるいは「体がマイナスに変わっていってしまう」事による問題は解決できないです。
これをコウタは「青い鳥症候群」あるいは、「マットレス症候群」と呼んでいます。
見つけると幸せになれる青い鳥がいるらしいと探し続けるのはロマンです。しかし探し続けて満たされないのは、果たして幸せなのでしょうか?
マットレス症候群は、スポーツジムで働いていた時に実際何件もあった話です。
「いつも肩や背中が痛くてよく眠れないのはマットレスのせいなので、今回奮発していいマットレスに新調したからよく眠れて調子がいいです!」
と言っていたお客様が、数週間後、「肩や背中だけでなく、腰や首まで痛くなって眠れないんです。せっかくマットレスを新しくしたのに・・・」と嘆いていました。
高くていいマットレスは、本当にいいものだと思います。プラシーボ効果で、使用感も評価も高まります。
しかし、体はどうでしょうか? 数日間はぐっすり眠れてよかったかもしれません。調子がいいからと、より頑張って働いたり、トレーニングに取り組みます。でもケアはしません。
いくら高級なマットレスでも、体を治癒する効果があるのでしょうか?
「この壺を買えば、病が治る」と同じくらい胡散臭くないですか?
ケアがおろそかになっては、いいマットレスも持ち腐れです。
結果、それら何人かのお客様は2つの未来を辿りました。
ひとつは、反省して、体をしっかりとケアし鍛えたことで、よりよい体になり、マットレスの効果も相まって生活の質が向上した。
もうひとつは、懲りずに、マットレス探しの旅に出た。
幸せになれたのは言わずもがな・・・
機材スポーツも、操作は体でします。
体を最大限使い切ってパフォーマンスを発揮していますか?
極端に言えば、クランク長なんて、体から計測された基準から±2.5mmなんか、大差ないと思います。(もちろん、回し感、踏み感は程々変わるに決まってます)
逆に要求される技術や体力も変わるので、それで劇的変化が起きる場合は、体に問題があり、クランク長を変えても一時的に雲隠れするだけで、状況は変わらないか悪化するので、気をつけてください。