インドアトレーニングのコツ

もーすぐはーるですか??

東京は桜が満開のようですが、東北地方はまだまだといったところ。

雪が溶けて、日が伸びてきて、暖かくはなっていますが、それでも仕事が終わって十分な量のトレーニングを積もうとすると真っ暗になってしまうので、自転車に乗りたい気分が出てきたのですがもどかしいです。(2輪は暗い場所では危険すぎる・・・)

で、インドアトレーニングをすることにしたのです。

職場に福利厚生としてWattbikeがあるのですが、如何せん倉庫にあるので、夏は暑く、冬は寒い。

東北の冬はきついのでなかなか・・・ね?

しかも、帰ってまた職場に来るのとか、準備をして職場に来るとか、結構大変。

別な所に行く方が気分転換にもなるという気が・・・

 

インドアトレーニングは基本的に楽しいものでもないですし、楽しいわけがないです。

その理由は、単調で変化がない。故に時間が経つのが遅い。

実走感が無い。故に違和感が常にある。

 

ということが挙げられます。

なので、ローラー台はどれがいい!とかいう激論が交わされますが、所詮、全て代用であるため、実走の負荷や操作感、爽快感を再現することはできません。

逆に言えば、それを求めるなら雨だろうが、夜だろうが外へ繰り出せと思うのですが・・・

ま、全ては捉え方次第だと思うのですがね。

 

なので、コウタはインドアトレーニングを以下の要素として考えています。

1:危険がない安全なトレーニングをするもの

2:技術トレーニングであること

3:基礎体力トレーニングであること

 

以上3点が基本の考えです。

順に説明をすると、

 

1:危険がない安全なトレーニングをするもの

言わずもがなですが、屋内でやるということは安全性が確保しやすいということです。

この安全性とは、交通事故に限らず、熱中症とか低体温症、今の時期で言えば花粉症というところです。

エアコンその他で温度管理もできますし、風で負荷が変わらないので、逆に言えば超快適に均質なトレーニングができるということです。

しかし、人間とは実に身勝手なもので、外で悪天候だと文句を言い、超快適なインドアでは単調でつまらないと言うんですよね・・・

均質にトレーニングをコントロールできるということは、トレーニングの目的達成や確実な効果を期待できるということです。

 

2:技術トレーニングであること

安全な状況でトレーニングができるという背景から、本当に走りに集中できるというのがインドアトレーニングの醍醐味です。

単調なインドアトレーニング最大限の楽しみになるのは、技術のトライ&エラーです。逆に、単調で楽しくないという人は、これが抜けていることが多いです。

安全な状況ですので、極端な話、目をつぶって自分の感覚に意識を全て向けて漕いでも大丈夫です(固定ローラーに限る。3本ローラーは半目で瞑想)。

ペダルの角度、クランク位相、軌道、どの筋肉を優位に使うか、ポジションや身体配置・・・等を考えると組み合わせが無限にあり、わずか5分の中にも技術のトライ&エラーが目まぐるしく行われます。

3本ローラーであれば、音の波が無く、一定で漕げるようにするとトルク変動が少ないスムーズなペダリングができます。

(グワーン、グワーン・・・という音ではなく、グワーーーーーー・・・・と一定な音)

そうやって一定に漕ごうとすると、かなりきついです。それをどうにか続けるために、ポジションを変えたりしながら、メインに使用する筋肉を変えていきます。

もうやって体勢や使い方を変えていくこと自体がペダリングの技術練習なのです。

 

3:基礎体力トレーニングであること

均質化された負荷で漕げるために、設定と遂行ができれば、かなり厳密に希望の生理学的な負荷を掛けられます。

例えば、回復走。 ダラ乗りでいいのですが、かなり強度が低いのでついつい強く漕いでしまっていたり、坂や風等で思ったより負荷が掛かってしまったり、信号等で休息の方が長くなってしまったり・・・結局、薬にも毒にもならないようなトレーニングで、手間や時間ばかり掛かってしまうこともしばしば。

他には、インターバルトレーニング。 全力で追い込むのに、やっぱりロードだと路面とか、交通状況とかを考えたり・・・となるとトラックが理想ですが、そっちの方がかなり機会が少ない。こういう時こそ全力で追い込むにはパワーマックス等のエルゴメーターの出番でしょう。

負荷(量・強度)が厳密に設定できるので、体内のエネルギー供給機構に確実に働きかけられます。

この、体内エネルギー供給機構に確実に働きかけるというのが、実は基礎体力トレーニングとなります。

FTPやOBLA強度は、実は有気と無気の協働で成り立ちます。

LT近辺までが遅筋繊維の強化、すなわち有気系メインの強化。

VO2MAX以上が速筋繊維の強化、すなわち無気系メインの強化。

LT~VO2MAXまではハイブリッドがメインになります。なので、FTPが一番持久力が伸びると言われているのですが、それはどちらか基盤があっての話で、基盤が無いとただただきついトレーニングの割に効果がないとなってしまいます。

なので、ローラーでFTP(OBLA)近辺のトレーニングを必ずしもやらなくていいのです。

技術に重きをおいて緩く長めに漕いで、ついでに持久系のトレーニングとするか

短くガッと漕いで無気的、スピード的なトレーニングとするか。

極端に言えばどちらかでいいと思います。

FTP(OBLA)のトレーニングは、ロードで乗れる日にしっかりとやれば一番気持ちがいいのではないでしょうか?

 

その点、ワットバイクはペダリングの波形や、その名の通りワットが見られるので、心拍数と合わせて取り組みやすくはあります。

しかし、やっぱり退屈になるので、Wattbikeだからインドアトレーニングがいいとか、楽しいとかそういうわけでもないです。

あくまでWattbikeも道具に過ぎないので、乗るのは最初だけ。あとは乗らない自転車と同じように、部屋の肥やしになる運命が待ち構えてます。

それが34万もするなら、新しいフレームやホイールを買って外を乗った方が103.25倍いいと思います。

 

逆に、絶対にやってはいけないことも書いておきます。

A:無目的でやる

B:「ながら」でやる

このふたつです。

 

A:無目的でやる

これは、自分に呆れます。「俺、なにやってるんだろ・・・」となってしまっては、学習性無力感でインドアトレーニングが条件反射で嫌いになります。

また、長時間乗った割に、何の効果か本当にわからなく、実際に効果も出ません。(意識性の原則)

 

B:「ながら」でやる

テレビを見ながら、ゲームをしながら、本を読みながら等、脚はペダリング動作で、目と頭は別なことに向けられているというのが、「ながら運動」です。

一般のフィットネス機器でも、ながらでもできる!がウリになっているようですが、これが実は一番まずい。

上にも書いた「意識性の原則」に加えて、「特異性の原理」も無視する形になります。

どういうことかというと、条件反射的な部分もありますが、頭と体が別なことに条件づけられてしまい、それがある程度定着してしまうと、そこから技術の修正が非常に困難になります。

意識もしてないので、練習量に対しての効果は当然減ります。

もしかしたら、ドラマを見ながら漕いでいて、自転車の交通事故シーンがあったらトラウマになってしまうかもしれません(笑)

目の前の事に集中するから効果が出るというものです。

 

流行りのZwiftなんかはちょっと微妙なラインです。

インドアトレーニングをしよう!と接近したり、遂行、達成したりする為の助力にはなりますが、強くなるかは・・・

Zwiftで3時間以上も漕げる人であれば、多分、雨でも夜でも外に乗り出せると思いますが・・・

 

インドアトレーニングが一般に向かない理由は、

「苦行だから」

 

楽しい内容のトレーニング(往々にして楽な場合が多い)をするだけではなく、そうでないトレーニングの中に楽しさを見出すことができる人がより強くなれると、強い人を見てきて思います。

インドアトレーニングには、常に上の3つの要素を考えながらやると、実はとても実践的な基礎トレーニングになると言えます。

それはローラーに限らず、ウエイトや自重等のフィジカルトレーニング、素振り等なんでもそうです。

管理された理想状態で、体力、技術、イメージと全てのトレーニングが完結できるなんて、素晴らしいと思います。

逆にインドアトレーニングに慣れてしまうと、外でのトレーニングがきつく感じるかもしれません。

 

暖かくなってきたから、みんな外に出初めに書く記事ではなかったかもwww

“インドアトレーニングのコツ” への2件の返信

  1. Zwift出身のプロやレース優勝者もボチボチ出てきた昨今ですが、
    Zwiftでのトレーニングが強くなるかは微妙なラインとした理由を教えてください。

    1. 記事にも書いてありますが、毎日何時間も没頭してできる気力があるならば外を乗れるんじゃないか?というところです。
      実走のレースではパワー(P/Wも含む)数値だけ、出力特性だけ、脚質だけ、で勝負するものでもありません。
      技術も、ペダリング技術だけではありません。バイクコントロールや負担を分散させる体全体の使い方などトータルの部分が影響します。
      あとは、路面状況や風雨、日差しなどの外的要因に対してどうするか?など。

      体力、技術の特定の課題に対してアプローチをするならZwiftはとても効果的です。
      ただ、それを全般的適用(これで全て賄えるようにトレーニングしてしまえと)しようとすると、やっぱりどこかまとまりが無くなる可能性があるので「微妙なライン」と表現しました。

      実走した時のギャップがあるからです。
      同様に、実走がいくら速くても、Zwiftが遅い可能性も大いにあります。

      賛否両論ありますが、少なくともZwift出身のプロやレース優勝者が出てきているとしてもまだまだ割合的に少ないですし、逆にプロがZwiftを使っている例も出てきています。
      それは、主に実走する環境が揃えにくい(時間帯、天候、季節、ケガ上がりなどの)要件から、仕方なく(そういう時に積極的に)使うシーンが多いと思います。
      Zwift出身のプロだって、もし、気持ちよく外で乗れる状況であれば、そっちの方が楽しくいいトレーニングだと感じることが多いのではないでしょうか?

      また、シミュレーションにはなるので、レース展開のイメージはできますが、じゃあ、実際にプロトンの中で走る、前へ出る時にはZwiftの画面の中の様にすり抜けることは難しいと思います。
      あくまでバーチャルであるため、現実との乖離をどう埋めるか? 逆に、現実と乖離していない部分をどうするか?
      あくまで道具として、基礎養成としてはいいと思いますが、それで万事OKとはならないので、それだけ強くなるかは微妙なラインということです。

      特に、アマチュアの方々だとトレーニングの機会を増やすには効果がありますが、最終的に好みの問題になってきます。
      プロだって、固定ローラーを使う必要がある時もあるでしょうが、やはり実走は欠かすことができません。

      実走一切なしに、Zwiftだけでツールを優勝することは夢ではないと思います。
      でも、そうだとしたらZwiftだけでトレーニングするプロチームが居てもおかしくは無いですが、今のところツールを走っているプロがZwiftだけでトレーニングしていないあたり、やっぱり実走が必要なんだと思います。

      あくまでZwiftは「ツール(道具)」であって、実走の「ツール(・ド・フランス)」ではないという点で、使い方で微妙になることだと思います。

      雨風暑さ寒さの中、風を感じたり、ひりつくような駆け引きを、全身で操作しながら競うというところが醍醐味じゃないでしょうか?
      良しにつけ悪しきにつけ、それらを引き出し潰すのがZwiftだと思います。

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