スイムのストローク

トライアスロンをやっている人には大きく2種類の人間がいる。

ひとつは、陸生生物として生まれてきた人間。

もうひとつは、水生生物として生まれてきた人間。

 

そう。トライアスリートと名乗る人間の究極の目標は、

「両生類になることである!!」(違

 

私、柴咲コウタは、陸上競技というその名の通り陸上で行われる競技で飯を食おうと思ったぐらい、陸生生物として生まれ、陸を駆け抜け生きてきた人間である。

そんな陸生生物も、トライアスロンをやるのに困るのはスイムがあることだ。

しかも、よりによって「一番最初に」、だ。

 

基本的な体力や精神力とそれなりの知識を持ち合わせていたので、どのように泳ぐかはわかっているし、そうしていたつもりだった。

 

初レースはオープンウォーターの洗礼を受け、前日に降った雨が川の水を濁らせ視界ゼロ。

そんな中で速い人と集団で押し合いへし合いに巻き込まれ、オーバーペースになってしまい、ああ、こうして人は溺れ死ぬのかと理解したのでした。

 

それから、スイムを少し勉強しなおした。

具体的には本を読み漁った。

だが、どの本も書いてある要点は同じである。

 

コウタはこう見えても研究者とアスリートの端くれである。

どう見えてるかはわからないが、決して切れ端ではない。)

 

知識と実践を結びつけるために、トライ&エラーを繰り返した。

 

それでもなかなか泳速度が向上しない。

 

コウタよりもはるかに筋肉がない華奢な中学生でも、

筋肉よりも脂肪の多いようなアシカやアザラシみたいな体型のメタボなオッサンですら

水生生物は体型に限らず速いのだ。しかも、コウタの2倍速。(単にコウタが遅いだけかもしれない。)

 

不審者として通報されるギリギリのラインで、スクールで泳いでる速いJC・JKやビキニパンツの速いオッサンをプールに潜って観察た結果、遂に彼・彼女がなぜ速いのかがわかった。

彼らが速い理由、それは、

「肩関節可動域が非常に広いからである」

 

スイムの推進力の原動力は、上肢のストロークがほぼすべてと言われている。

なので、俗に「ギャクサン」と呼ばれるよく発達した上肢の筋肉と、腕の長さは、トップスイマーになるための条件と言われている。

(ちなみに、脚は短く、足がデカい=アザラシ的な体型が抵抗が少なくていいらしい。)

 

上肢の筋力で言えば、ベンチを85kgは上げるコウタは十分すぎるくらい筋力があるだろう。

長さも、短い方とはいえ!?、身長が176cmもあれば絶対長は十分だろう。

それでも遅いのは、肩関節可動域(以下ROM)が狭く、効率的なストロークになっているからだと考えられる。

 

というわけで、バキッとやって肩ROMを向上させてみた。

(※あくまで誇張表現です)

 

すると、なんということでしょう!

今まで本に書いてあったことができるではありませんか!!

 

長くなって来たので、要点をば。(疲れてきた)

 

まず、エントリー(入水)で肩甲骨から指先を大きく離すように伸びる。この時、逆の手はプル~フィニッシュなので、できるだけ下(後方)の遠くへ伸ばす。

次に、エントリーの位置からキャッチまでは、手首の底屈と上腕を内旋をする。ただし、肘の位置は高いまま。これをハイエルボーと言う。

ポイントは、肩関節を屈曲(脇を閉めない)せず、上腕だけを内旋することだ。

肩より高い台で腕相撲するような動きのイメージだ。

 

そして、次に、その内旋位から今度は、脇を閉めていく。

イメージは、バンザイしてた時にわきの下をくすぐられて勢いよく閉じる感じだ。

 

最後に、脇を閉じたまま肘関節を伸ばす。

イメージは、体温計やファイルをわきの下に挟んだまま床に落ちたものを拾う感じだ。

 

これらの動作をやってみるとわかると思うが、勝手にS字ストロークが完成する。

実際には、身体のローリングも加わるので、外から見ると思った以上にSの軌跡になる。そして、水が重く感じたり、ストロークの距離が長くなる。

(抵抗が増えたり、抵抗を受ける距離や時間が増えたりするので、場合によっては非常に疲れやすく感じる)

ストロークからプッシュまでは、高い台に腕の力でよじ登るのに似ている。もっと言えば、プールから上がる時みたいな動作だ。

 

コウタのストロークラインのイメージは、ワイングラスだ。

これができてから、以前より進むようになった。

その大きな理由としては、ストロークが力強くなっただけでなく、ハイエルボー効果(ストロークを底方向ではなく後ろにできるようになった。)で、ストリームラインが保たれて脚が沈まなくなったことが大きい。

 

脚が沈まなくなったことで、ゆっくり泳ぐことができ、キックも2ビートキックで十分進むようになったため、呼吸が非常に楽になった。

 

というわけで、陸生生物でスイムが苦手な人に共通することとして、肩ROMの低さがあげられる。

考えてみれば、ランニングって腕ふりというけど、肩のローリングは抑えようとするから、案外使わないんだろうなと思ったり。(バンザイはほとんどしない)

というか、軸を保って体を支えるのに上半身が否応なしに使われているにもかかわらず、重要度も低いと考えられてしまうから、ケアもしないし固まるんだろうな。

溺れそうに泳いでるオッサンもカチカチが多い気がする。

 

もちろん、柔らかい人(特に女性)は、その掛かる抵抗に負けない筋力が無いから推進力を得られないため遅いっていうパターンもある。

 

先に出てきた華奢な中学生も、メタボなオッサンも、その速さで泳げる十分な可動域と筋力を備えているから速く泳げるのだということが分かった。

加えて、柔軟性と筋力が十分あるため、ストリームラインがキープできて、極めて効率的な泳ぎをしているからあの速さで距離が行けるのだ。

 

コウタがあの領域に行くためには、まだまだROMが足りない。

痒い所に手が届かないうちは、痒みをとることができないのだ。

(背中の真ん中に手が届かない)

 

今のところブログを更新しましたしかお知らせしてませんが、ツイッターやってますよwww

@sibasaki_kuota

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